本来の仕事に専念できる職場環境を整えることができました
今回は、医療環境整備をフルオーダーされた滋賀県草津市アキヨシデンタルクリニック 院長 秋吉美智彦先生に感想をお話いただきました。職場環境デザイン導入を検討されている方々が気になる数年後の状況についてもお話してくださっているので、ぜひご覧ください。
導入プログラム:職場環境デザイン(フルオーダー)
効果: 院内の基準ができ自社で継続できる力がついたこと
Q:医療環境整備を取り入れる前には、どのようなことで悩んでいましたか?
開業してから、12年から13年が経ちました。当然のように、物が増えていきました。
スタッフの入れ替えもその途中で何度もあり、いろんな人がいろんな基準でいろんなところに物を置いていくので、統一感がなくなってしまっていて。
いざ何かがほしいとなった場合に、「これはあの人に聞いたらわかるのかな?」と思っても、「いや、私は知らない」「そういえば、あの人が知っているかも」と走り回っている感じです。
探し回る無駄な時間があるな、というのは感じていましたし、そういったことをなくしたいな、と思っていました。
僕は、物が見えているのがあまり好きではないので、収納はしているのですが、いろんなものをまとめて収納している、とりあえず放り込んでいる、隠しているだけという状態になってしまって。
そのため、これはここにあるというような整然とした状態にしたい思いはあったかもしれませんね。
Q:院長先生の悩みは解決されましたか?
もちろんです、すっきりしました。
杉田さんの場合は、一旦物を全部出してくださる。そこから、珍しいことになるべく捨てずにあるものを使おうって言われるんです。
出してみて、物がこんなにあったんだとか、あるいは、あまり使わないものがこんなにあったんだとか、これは一生分あるんだなとか、気がつくきっかけになりました。
そして、実はこれが足りていないという棚卸しのようなこともできたりして、そういう面でも良いことがあったかなと思います。
さっきお話ししたような物を探すときにも、ここに行けばこれがあるとわかる状態になりました。
「これはこの人に聞く」ではなく、スタッフ全員が把握しているという体制ができたので、非常に良かったと思っています。
Q:取り入れる前に比べて、業務で改善されたことはありますか?
なくなる、壊れるといったことが、特に細かいものの紛失があったと思いますが、頻度が減ったと思います。
ここにあるべきものだという認識があるので、そこにないと「あ、異常だ」と早く気づくようになりました。
そういう点で、紛失の予防になっているのではないかと思いますね。
Q:環境整備を取り入れて、2年経ちましたが、その後はどうですか?
リバウンドは多少はあるかもしれないが、講義からみんな聞いてくれて、仕分けや整理も一緒になってやっていったので、そのノウハウややり方を身に着けてくれていると感じます。
整理したときの苦労を知っているので、スタッフ自身も以前より心がけるようになったのかな、と。
「ここから取ってきたら、そこに戻す」というのをずっと続けていると習慣化するのか、苦もなく普通にやることができています。
そうすると、新しいスタッフが入ったときに「これはここにある」という伝え方で済むからスタッフも楽で。それがさらに良い効果を生んで、キープできている気がします。
Q:スタッフの入れ替わりによって物が乱れるということはありませんか?
ないですね。たぶん、はっきりしているからだと思います。
「これはここ」だとか、これは「これだけの量をストックしとく」だとか、「これがなくなったりしたら誰に伝える」だとかそう言ったことがきちんと決まっているので。
誰が見てもわかる状態になっているから、乱れないし、綺麗な状態が維持できるのかなと思います。
単純になっているんですかね、毎回これがあるのかなと探さなくてもいい。
ここにはこんなものがこれだけの量あるというのが基準としてあるので、そこに変化があると「あれ?」と感じて、すぐに発注をかけることができるようになりました。
Q:具体的に数字として、変化が現れたことはありますか?
一回あるものを全部出してみようということで、現状ストックしているものがこれだけあったんだ、と把握できました。
今後は新しいものを使っていきたいと思ったときに、今のストックをどうやって消費して新しいものを取り入れていくかを考える材料になりました。
何もわからずにやってしまうと、また物が増えていって、使わないものがずっと残っていくことになっていっただろうから、そういった無駄がなくなったのだと思います。
Q:院長先生ご自身のストレスも減りましたか?
そうですね。例えば、何かが必要になったとして、頻繁に使うものではなく、たまに使うものとかがあるんです。
そういうものをくださいって言ったときに時間がかかると、患者さんにも口を開けて待たせてしまったりとか、僕自身もぼーっと手の空いてしまう時間などがあったりとか。
そういった時間がなくなったことで、ストレスが減っていると思います。
Q:自分たちで環境整備に取り組んできた場合とプロに頼んだときに違いやメリットはありましたか?
スピードがあるんじゃないですかね。自分たちで全部やろうと思うと、基準のない中、まず一から考えてやらなくてはいけない。
とりあえずはみんなで片づけたりはするんだけれど、きちんとした片付けの仕方を習っているわけでもないので、時間がかかってしまう。
そういったノウハウを持っている方が最初にこうした方が良いと言ってくれて、それに則ってやるということで、かなり効率的にできたのではないかなと思っています。
Q:今後の展開と課題を教えてください
今、増築を考えていまして。実は、以前にも増築をしているんです。
当時も増築をするにあたって、スタッフにどういったものを希望するか聞きました。
そうすると、収納がたくさんほしいなど、いろいろと言ってくれるんですね。
僕もそうだなと思って、スタッフの希望を設計士さんにお伝えして、作ってもらったんです。
そして、それができたとき、僕はどうだ!できたぞ!という気持ちでいたのですが、実は使い勝手が悪いということが起きていました。
おそらく我々スタッフの導線、患者さんの導線、そういったことを考慮せず、ほしいと言われたものをどこかに作っただけということが原因なのだと思います。
結果、収納はできても無駄な場所だったために、大きな置物ができたというような状態になってしまいました。
そういったことが、今回はないようにしたいです。
我々スタッフにとっても作った意味があるし使い勝手も良いものを、患者さんにとっても快適に過ごしていただけるような空間のプロデュースを。
これらをどのようにしていくか、また杉田さんにご相談しなくてはなと思っています。
Q:2年前に環境整備を取り入れていなかったら、今はどうなっていると思いますか?
今の状況に慣れてしまった。これが普通になってしまったけれど、今の「普通」がなかったのかもしれない。
ずっとどこに何があるとか、そういうことに振り回されていたのかもしれないなって。想像ですけれど。
そういうくだらない無駄な時間から解放されたのだと思います。
今回は前の失敗を無駄にしないで、導線も考慮つつ、スタッフの意見も取り入れて、患者さんはより快適に過ごしていただけるような空間づくりができたらな、と考えています。